こんにちは!「投資なんて自分には縁遠い話だと思っていたけど、そろそろ本気で考えなきゃ…」そう思っているあなたへ。
このブログは、投資初心者のあなたが、安心して最初の一歩を踏み出せるように、優しく、そして丁寧に情報をお届けします。
「投資信託」と「ETF」という言葉、聞いたことはありますか? どちらも、これから投資を始めようとするあなたにとって、とても心強い味方になってくれる金融商品です。でも、「名前は聞いたことあるけど、何が違うの?」と疑問に思う方も多いのではないでしょうか。
大丈夫です! この記事を読めば、投資信託とETFの違いがスッキリと分かり、自分に合った商品を選べるようになります。専門用語はできる限り避け、日常生活に例えながら、とことん優しく解説していきますので、ご安心くださいね。
さあ、一緒に「お金に働いてもらう」旅の第一歩を踏み出しましょう!
この記事でわかること
- そもそも投資って何? なぜ今、投資が必要なの?
- 「投資信託」ってどんなもの? メリット・デメリットは?
- 「ETF」ってどんなもの? メリット・デメリットは?
- 投資信託とETF、決定的な違いはどこにあるの?
- 「私にはどっちが向いているの?」選び方のヒント
- 投資を始めるための具体的なステップ
- I. はじめに:投資を始めるあなたへ
- II. そもそも「投資信託」って何?
- III. そして「ETF」って何?
- IV. 投資信託とETF、決定的な違いはココだ!
- V. 実際の運用をシミュレーション!あなたにぴったりの選び方
- VI. 投資を始めるための具体的なステップ
- VII. まとめ:あなたの投資はこれから!
I. はじめに:投資を始めるあなたへ
A. 投資って何? なぜするの?
投資と聞くと、「お金持ちがやるもの」「ギャンブルみたいで怖い」というイメージを持つ方もいるかもしれません。でも、実はもっと身近で、私たちの生活を豊かにするための賢い選択肢なんです。
投資とは、ズバリ「今あるお金を、未来のために増やすこと」です。
私たちの周りでは、残念ながら「預貯金だけではお金が増えにくい時代」が長く続いています。銀行の金利はとても低く、100万円を1年間預けても、増えるお金はほんのわずかです。一方で、モノの値段(物価)は少しずつ上がっていますよね。これは、預貯金だけだと、気づかないうちにあなたのお金の価値が目減りしてしまう可能性がある、ということなんです。
「え、どういうこと?」って思いましたか?
例えば、昔は100円で買えたジュースが、今は150円になったとします。あなたの100円は、価値が下がったわけではないけれど、買えるものが減ってしまった、ということです。これが「お金の価値が目減りする」ということの例えです。
だからこそ、今あるお金をただ銀行に眠らせておくだけでなく、少しでも「働いてもらう」という考え方が大切になってきています。投資は、未来のあなたの生活を、より豊かに、より安心したものにするための「準備」なんです。
B. 投資初心者でも始めやすい「投資信託」と「ETF」
「でも、株とか不動産とか、難しそうで手が出ない…」
ご安心ください。投資の世界には、私たちのような投資初心者でも、手軽に始められて、プロの力を借りながら資産形成ができる素晴らしい仕組みがあります。それが、今回詳しく解説する「投資信託」と「ETF」なんです。
どちらも、ざっくり言うと「たくさんの人からお金を集めて、プロがまとめて運用してくれる」という商品です。自分で何十社もの会社の株を調べたり、専門知識を身につけたりする必要はありません。
この記事では、この二つの金融商品がどんなものなのか、そして何が違うのかを、あなたの目線に合わせて徹底的に解説していきますね。
C. この記事でわかること
この記事を読み終える頃には、あなたは「投資信託とETF、どっちが私に合ってるかな?」と、具体的にイメージできるようになっているはずです。そして、実際に投資を始めるための第一歩も、自信を持って踏み出せるようになります。
さあ、ここからが本番です!
II. そもそも「投資信託」って何?
まずは、投資信託から見ていきましょう。
A. 投資信託の超基本:みんなでお金を出し合ってプロに運用してもらう
投資信託を理解する上で一番大切なキーワードは、ズバリ「みんなで、プロに、お任せ」です。
1. 共同購入・共同運用スタイル
投資信託は、例えるなら「大人数での割り勘旅行」のようなものです。
あなたが一人で海外旅行に行こうとすると、航空券やホテル、観光地の入場料など、全部自分で手配して、まとまったお金も必要になりますよね。でも、旅行会社のツアーに参加すればどうでしょう?
- 旅行会社が、飛行機やホテルをまとめて予約してくれる。
- 自分一人では行けないような場所にも、みんなで行けば安く行ける。
- プロのガイドさんが、効率よく観光地に連れて行ってくれる。
- 少額のお金を出し合っても、豪華な旅行ができる。
投資信託も、これと全く同じイメージです。
世界中のたくさんの人(投資家)から、少しずつお金(資金)を集めます。そして、その集まった莫大な資金を、「ファンドマネージャー」と呼ばれる投資のプロフェッショナルが、最適な投資先にまとめて運用してくれます。
【ポイント】
- 少額から参加できる: 一人では買えないような、たくさんの種類の株や債券に、数百円や数千円から投資できます。
- 分散投資ができる: 一つの会社の株に集中するのではなく、たくさんの会社の株や、様々な種類の金融商品に分散して投資してくれます。これは、リスクを抑える上でとても大切なことです。
- プロにお任せ: 専門知識がなくても、日々のニュースを追いかけなくても、プロがあなたの代わりに運用してくれます。
2. 運用のプロって誰?(運用会社、ファンドマネージャー)
投資信託では、主役がいくつか登場します。
- 運用会社(投信会社): 投資信託という商品を企画・設計し、実際にプロの視点で運用する会社です。たくさんの投資信託を作っています。
- ファンドマネージャー: 運用会社に所属する、投資のプロフェッショナル。彼らが日々、どの株を買って、どの債券を売って…といった具体的な運用判断を下します。
- 販売会社: 証券会社や銀行など、私たち個人が投資信託を買える窓口のことです。
- 信託銀行: 私たちから預かったお金や、株・債券などの「財産」を安全に保管・管理してくれる銀行です。運用会社が勝手にお金を使ったりしないように、チェックする役割も担っています。
このように、複数の会社が役割分担することで、私たちの資産が守られながら運用される仕組みになっています。
B. 投資信託の種類を知ろう
投資信託と一口に言っても、たくさんの種類があります。大きく分けると、以下のポイントで分類できます。
1. どこに投資するか(投資対象)
投資信託は、どこにお金を投資するかによって、さまざまな種類があります。
- 国内株式型: 日本の企業の株に投資します。
- 海外株式型: アメリカ、ヨーロッパ、新興国など、外国の企業の株に投資します。特に「全世界株式」や「全米株式」に投資する商品は人気が高いです。
- 債券型: 国や企業が発行する「債券」に投資します。株式に比べて一般的にリスクは低いですが、リターンも控えめな傾向があります。
- 不動産型(REIT・リート): 不動産に投資する専門の投資信託です。ショッピングモールやオフィスビルなどの家賃収入が主な収益源になります。
- バランス型: 株式、債券、不動産など、複数の資産にバランス良く投資してくれます。自分で資産配分を考える必要がないので、初心者の方にも人気があります。
- コモディティ型: 金(ゴールド)や原油などの「商品」に投資します。
投資対象が多岐にわたることで、あなたの「こんな分野に投資したい!」という希望や、リスクの好みによって、さまざまな選択肢があるのが投資信託の魅力です。
2. 目指すもの(インデックス型 vs アクティブ型)
投資信託には、プロの運用方針によって大きく2つのタイプがあります。
a. インデックス型:市場平均を目指す、低コスト、初心者向け
インデックス型投資信託は、「市場の平均点を目指す」タイプです。
例えば、「日経平均株価」や「S&P500(アメリカの主要企業500社の株価指数)」といった、世の中の経済の動きを示す「指数(インデックス)」と、同じような値動きをすることを目指します。
これは、ちょうどテストで「平均点以上を取れば十分」と考えるのと同じです。プロが「どの株を買うか」をあれこれ考える必要がないため、運用にかかる手間やコストが少なく、その分、私たちが支払う手数料(信託報酬)も安くなります。
【インデックス型の特徴】
- 低コスト: 手数料が安いため、長期で運用するほどコストメリットが大きくなります。
- シンプルでわかりやすい: 特定の指数に連動するため、値動きの理由が理解しやすいです。
- 多くのプロも推奨: 長期投資においては、インデックス型がもっとも優れた成果を出すことが多いというデータもあります。
- 初心者さんに特におすすめ!
b. アクティブ型:市場平均を超えることを目指す、コスト高め、プロの腕の見せ所
アクティブ型投資信託は、「市場の平均点を超える」ことを目指すタイプです。
プロのファンドマネージャーが、綿密な調査や分析を行い、「この企業は将来性がある」「この技術は伸びる」といった独自の視点で投資先を選び、積極的に売買を繰り返して、市場平均を上回るリターン(利益)を目指します。
これは、テストで「常に満点を目指す」ようなイメージです。プロが人件費や情報収集にコストをかけるため、インデックス型に比べて手数料(信託報酬)は高くなる傾向があります。
【アクティブ型の特徴】
- 高コスト: 運用に手間がかかるため、手数料が高めです。
- プロの腕次第: 期待通りに市場平均を上回ることもあれば、下回ってしまうこともあります。
- テーマ型も多い: AI、ロボット、クリーンエネルギーなど、特定のテーマに特化したアクティブファンドもあります。
【初心者のあなたはどちらを選ぶべき?】
まずは、手数料が安く、シンプルで分かりやすい「インデックス型」を選ぶのがおすすめです。投資の基本を学ぶには最適ですし、長期的に見ても優れたパフォーマンスが期待できます。
3. 分配金はどうなる?(再投資型 vs 受取型)
投資信託の中には、運用益の一部を「分配金」として投資家に支払うものがあります。この分配金をどうするかで、さらに2つのタイプに分かれます。
- 再投資型: 受け取った分配金で、再び同じ投資信託を買い増してくれるタイプです。これを自動的に行ってくれるため、手間がかからず、利益が利益を生む「複利効果」を最大限に活用できます。
- 受取型: 受け取った分配金を、あなたの銀行口座などに振り込んでくれるタイプです。定期的にお金を受け取りたい場合に選ばれます。
【初心者のあなたはどちらを選ぶべき?】
特別な理由がない限り、自動的に投資効率を高めてくれる「再投資型」がおすすめです。特に、老後資金など長期的な資産形成を目指す場合は、再投資型の方が最終的なリターンが大きくなる傾向があります。
C. 投資信託のメリット・デメリット
ここまでの内容をまとめると、投資信託にはどんな良いところと注意点があるのでしょうか?
1. メリット:少額から分散投資、プロにお任せ、積立しやすい
- 少額から始められる: 多くの証券会社では、100円や1,000円といった少額から投資信託を購入できます。お小遣いや貯蓄の一部を、無理なく投資に回すことができます。
- 手軽に分散投資ができる: 一つの投資信託を買うだけで、数十〜数百の企業や、さまざまな国の資産に分散して投資してくれます。これにより、特定のリスク(例えば、ある企業の業績が悪くなった時など)に過度に晒されるのを避けることができます。これは、投資の鉄則の一つです。
- 投資のプロに運用をお任せできる: 投資の専門知識や、日々の情報収集がなくても大丈夫。あなたの代わりにプロが運用判断をしてくれるので、忙しい方でも安心して資産形成に取り組めます。
- 積立投資と相性が良い: 多くの証券会社で、毎月決まった日に決まった金額を自動的に買い付ける「積立設定」が可能です。一度設定してしまえば、あとは手間いらず。価格が高い時は少なく、安い時は多く買う「ドルコスト平均法」の効果も期待でき、リスクを分散しながら着実に資産を増やせます。
- NISAやiDeCoといった非課税制度と相性が良い: 国が用意している税制優遇制度「NISA(ニーサ)」や「iDeCo(イデコ)」の対象商品として、投資信託は非常に選びやすいラインナップが揃っています。これにより、運用で得た利益にかかる税金(通常は約20%)を非課税にしたり、掛け金が所得控除の対象になったりする大きなメリットを享受できます。
2. デメリット:手数料、価格変動リスク、元本保証なし
- 手数料がかかる:
- 購入時手数料(販売手数料): 投資信託を購入する時にかかる費用です。最近は「ノーロード」と呼ばれる、手数料がかからない投資信託も増えています。
- 信託報酬(運用管理費用): 投資信託を保有している間、毎日少しずつ差し引かれる費用です。プロに運用してもらうための報酬のようなものです。年率0.1%〜2%程度と幅広く、長期で運用すると馬鹿にならない金額になるので、できるだけ低いものを選びましょう。
- 信託財産留保額: 投資信託を解約(売却)する時にかかる費用です。頻繁に売買されるのを防ぐ目的などがあります。これもかからないものもあります。
これらの手数料は、積み重なると大きな差になるため、できるだけコストの低い商品を選ぶことが大切です。
- 価格変動リスクがある: 投資信託は、投資している株や債券などの価格が変動するため、日によって価値が上がったり下がったりします。時には、購入した時よりも値下がりしてしまうこともあります。元本(最初に投じたお金)は保証されていないので、損をする可能性もあります。
- リアルタイムで取引できない: 投資信託の価格(基準価額)は、1日に1回だけ決まります。そのため、「今すぐ買いたい!」「今すぐ売りたい!」と思っても、リアルタイムで売買することはできません。注文を出した日の夕方や翌日の基準価額で取引が成立します。
- 商品の種類が非常に多い: あまりにもたくさんの投資信託があるため、どれを選んだらいいか迷ってしまうこともあります。
D. どこで買えるの?(証券会社、銀行)
投資信託は、主に以下の場所で購入できます。
- 証券会社: 特にネット証券(SBI証券、楽天証券、マネックス証券など)は、商品のラインナップが豊富で、手数料も安い傾向にあります。NISA口座やつみたてNISA口座も開設できるので、初心者さんには特におすすめです。
- 銀行: 都市銀行、地方銀行、信用金庫などでも投資信託を取り扱っています。窓口で相談できるというメリットがありますが、一般的に手数料が高めだったり、商品ラインナップが限られたりする傾向があります。
【ポイント】
手数料の安さや商品の豊富さ、そしてオンラインでの手続きのしやすさを考えると、まずはネット証券での口座開設を検討するのがおすすめです。
E. 投資信託の選び方のヒント(長期・積立・分散の大切さ)
投資信託を選ぶ上で、初心者さんが意識したい大切なポイントは「長期・積立・分散」の3つです。
- 長期: 短期的な値動きに一喜一憂せず、数年〜数十年の長い期間でじっくりと運用することを目指しましょう。長く続けるほど、複利効果や値動きのブレが小さくなる効果が期待できます。
- 積立: 毎月決まった額をコツコツと積み立てていくことで、購入タイミングによるリスクを減らし、平均購入価格を安定させる「ドルコスト平均法」の恩恵を受けられます。
- 分散: 特定の銘柄や国、資産に集中せず、さまざまな投資先に分けて投資することで、リスクを軽減できます。投資信託自体が分散投資の効果を持っているものが多いですが、さらに複数の投資信託を組み合わせることで、より強固なポートフォリオ(資産の組み合わせ)を作ることができます。
この3つのポイントを意識して、まずは「全世界の株式に投資するインデックス型投資信託」や「米国の主要株価指数に連動するインデックス型投資信託」といった、シンプルで低コストな商品から始めるのがおすすめです。
III. そして「ETF」って何?
さて、次にETFについて見ていきましょう。ETFも「投資信託」という名前がついていますが、投資信託とは異なる特徴を持っています。
A. ETFの超基本:上場投資信託、株式みたいにリアルタイムで売買できる
ETFは「Exchange Traded Fund(上場投資信託)」の略です。その名の通り、「証券取引所に上場している投資信託」なんです。
1. 「投資信託」と「株式」のハイブリッド
ETFは、投資信託の良いところ(プロによる分散投資)と、株式の良いところ(リアルタイム売買、透明性)を組み合わせたような、ハイブリッドな金融商品です。
「上場している」というのは、私たちが普段、テレビのニュースなどで目にする「今日の株価」のように、リアルタイムで価格が変動し、証券取引所で売買されている、ということです。
例えるなら、投資信託が「旅行会社のパッケージツアー」だとすると、ETFは「旅行の目的地の航空券を自分で購入し、目的地に着いてからは自由に観光する半パッケージツアー」のようなイメージです。
- 航空券(ETF)は市場でリアルタイムに値段が変わる。
- 目的地(投資対象)はプロが選んでくれて分散されている。
- 自分で好きなタイミングで買って、好きなタイミングで売れる。
2. どこで売買できる?(証券取引所)
ETFは、株式と同じように、証券取引所を通じて売買されます。これは、投資信託とは大きく違う点です。
具体的には、証券会社の取引画面で、現在の価格を見ながら「この値段で買いたい」「この値段で売りたい」と注文を出すことができます。
B. ETFの種類を知ろう
ETFも、投資信託と同様に多種多様な種類があります。
1. どんな指数に連動する?
ETFも基本的には、特定の指数(インデックス)に連動することを目指す「インデックス型」がほとんどです。
- 国内の指数: 日経平均株価、TOPIX(東証株価指数)など
- 海外の指数: S&P500(アメリカ)、NASDAQ100(アメリカ)、MSCI全世界株(全世界)、FTSEエマージング(新興国)など
- 特定のセクター(業種): 半導体、金融、エネルギーなど
- 特定の資産: 金(ゴールド)、原油、不動産など
- 債券: 日本国債、米国債など
ETFは、投資信託よりもさらにニッチな指数や、特定のテーマに連動する商品が豊富に揃っている傾向があります。
2. 国内ETFと海外ETF(米国ETFが人気な理由)
ETFには、日本の証券取引所に上場している「国内ETF」と、アメリカなど海外の証券取引所に上場している「海外ETF」があります。
特に、アメリカの証券取引所に上場している「米国ETF」は、世界中の投資家から絶大な人気を集めています。その理由は、
- 種類が非常に豊富: S&P500や全世界株に連動するものから、特定のテーマ(AI、クラウド、半導体など)に特化したものまで、選びたい放題です。
- 信託報酬(経費率)が安い: 運用コストが非常に低いものが多く、長期で保有するほどコストメリットが大きくなります。
- 流動性が高い: 売買が活発に行われているため、買いたい時に買え、売りたい時に売れないという心配が少ないです。
- 歴史と実績: 長年の運用実績があり、信頼性が高い商品が多いです。
ただし、米国ETFを購入する際は、日本円を米ドルに両替する必要があります(証券会社によっては円貨決済できる場合もあります)。また、配当金には米国と日本の両方で税金がかかる「二重課税」の問題もありますが、これは確定申告で「外国税額控除」の手続きをすれば、ある程度取り戻すことができます。
【注意!】
「レバレッジ型ETF」や「インバース型ETF」といった、特殊な動きをするETFもありますが、これらは短期的な投機(ギャンブルに近い投資)向けで、仕組みが複雑かつリスクが非常に高いため、投資初心者の方には絶対におすすめしません。まずは普通のインデックス型ETFから始めましょう。
C. ETFのメリット・デメリット
ETFには、どのようなメリットとデメリットがあるのでしょうか?
1. メリット:リアルタイム取引、手数料が比較的安い、透明性が高い
- リアルタイムで取引できる: 株式と同じように、取引時間中であれば、好きな時に好きな価格で売買注文を出すことができます。「今日の株価が安いから、今すぐ買いたい!」といった、機動的な売買が可能です。
- 手数料(信託報酬)が安い傾向にある: 投資信託全体と比較すると、ETF、特に人気の米国ETFは、信託報酬が非常に低いものが多く、長期投資におけるコストを抑えたい方には大きな魅力です。
- 透明性が高い: ETFの構成銘柄(ETFがどんな株や債券を保有しているか)や、基準価額がリアルタイムで確認できるため、どのような資産に投資しているのかが非常に分かりやすいです。
- 指値注文ができる: 「この価格になったら買いたい」「この価格になったら売りたい」という「指値注文」ができるため、自分が納得できる価格で取引しやすいという利点があります。
- NISAの対象となる: 国内ETFも海外ETFも、NISA口座(つみたてNISAは投資信託のみなので一般NISA)の対象となります。非課税で運用できるメリットは大きいです。
2. デメリット:少額投資しにくい場合も、リアルタイム取引の誘惑、積立設定が面倒なことも
- 購入単位があるため、少額投資しにくい場合がある: 投資信託のように100円や1,000円といった金額単位で買えるものは少なく、基本的に「〇株」という株数単位での購入になります。人気の米国ETFでも、1株が数万円になることもあるため、ある程度のまとまった資金が必要になる場合があります。ただし、最近は一部の証券会社で「単元未満株(S株など)」や「ETF積立サービス」を利用すれば、少額から投資できる選択肢も増えてきています。
- リアルタイム取引の誘惑: 常に価格が変動しているため、ついつい何度もチェックしてしまったり、「もっと上がるかな?」「もっと下がるかな?」と頻繁な売買をしてしまったりする誘惑に駆られがちです。しかし、頻繁な売買は手数料がかさみ、かえってリターンを損なう可能性があります。また、精神的な負担も大きくなります。
- 積立設定が面倒なことが多い: 多くのETFは、自動積立に対応していません。毎月決まった額を積み立てたい場合は、自分で注文を出す手間がかかります。ただし、前述の通り、一部の証券会社ではETFの積立サービスを提供しているところもあります。
- 分配金(配当金)は自動再投資されない: ETFの場合、受け取った分配金は自動的に再投資されず、口座に現金として入金されます。複利効果を最大限に生かすためには、その分配金を自分で再投資する手間がかかります。
- 海外ETFは為替リスクと税金の手間がある: 米国ETFなどの海外ETFを購入する場合は、日本円を米ドルに両替する際の「為替手数料」がかかります。また、ドル円レートの変動による「為替リスク」も考慮する必要があります。さらに、配当金に対しては、米国と日本の両方で税金がかかる「二重課税」となるため、確定申告で「外国税額控除」の手続きをしないと、余分な税金を払ってしまうことになります。
D. どこで買えるの?(証券会社のみ、株と同じ感覚で)
ETFは、株式と同じように、証券会社でのみ購入できます。銀行では基本的に購入できません。
こちらも、手数料の安さや商品の豊富さから、ネット証券(SBI証券、楽天証券、マネックス証券、PayPay証券など)がおすすめです。
E. ETFの選び方のヒント(流動性、経費率、追跡誤差)
ETFを選ぶ際には、以下のポイントを参考にしましょう。
- 連動を目指す指数: どの指数に連動するETFを選ぶかによって、リスクとリターンが変わります。まずは、S&P500や全世界株式など、幅広い市場に分散投資できるものから検討するのがおすすめです。
- 経費率(信託報酬): ETFを保有している間にかかるコストです。できるだけ低いものを選びましょう。特に米国ETFは、0.1%を下回るような超低コストの商品も豊富です。
- 純資産総額と流動性: 純資産総額が大きいETFは、多くの投資家から人気がある証拠であり、一般的に流動性(売買のしやすさ)も高いです。流動性が低いETFは、買いたい時に買えなかったり、売りたい時に売れなかったりする可能性があります。
- 追跡誤差(トラッキングエラー): ETFが連動を目指す指数と、実際のETFの基準価額の乖離のことです。この誤差が小さいほど、優秀なETFと言えます。
IV. 投資信託とETF、決定的な違いはココだ!
ここまで、投資信託とETFについてそれぞれ詳しく見てきました。それぞれの特徴を理解できたでしょうか?
ここからは、両者の「決定的な違い」に焦点を当てて、もう一度比較してみましょう。ここが一番重要なポイントです!
A. 購入方法・売買タイミング
ここが、投資信託とETFの最も大きな違いと言っても過言ではありません。
1. 投資信託:基準価額、1日1回決定、指定口数・金額で注文
投資信託の価格は「基準価額」と呼ばれます。この基準価額は、1日に1回だけ(通常、その日の市場が閉まった後)計算されて発表されます。
- 注文方法: 「1万円分買いたい」「1000口分売りたい」というように、金額や口数(口数とは、投資信託の単位のこと)を指定して注文します。
- 売買タイミング: あなたが注文を出した「その日の終値(基準価額)」で取引が成立します。例えば、午前中に買い注文を出しても、その日の夕方に計算される基準価額でしか買えません。「今この瞬間の価格で買いたい!」ということはできません。
例えるなら、スーパーの「今日の特売品」のようなものです。開店前に注文しておけば、閉店後に今日の特売価格で手元に届く。そういうイメージですね。市場の動きを細かく気にすることなく、淡々と取引したい方に向いています。
2. ETF:市場価格、リアルタイム変動、株数で注文、指値・成行
ETFの価格は「市場価格」と呼ばれ、株式と同じように、証券取引所の開いている時間中(日本の市場なら午前9時〜午後3時など)は、リアルタイムで価格が変動しています。
- 注文方法: 「このETFを10株買いたい」「5株売りたい」というように、株数を指定して注文します。
- 売買タイミング: リアルタイムで変動する市場価格を見ながら、好きなタイミングで売買注文を出すことができます。「今すぐ買いたい!」と思ったら「成行注文」を、希望する価格になったら買いたい場合は「指値注文」を出すことができます。
例えるなら、オークションやフリーマーケットのようなものです。商品の値段は刻々と変わり、今、いくらで取引されているかがリアルタイムでわかります。そして、自分が「この値段なら買いたい!」「この値段なら売りたい!」という価格を指定して取引に参加できます。市場の動きを見ながら、自分で売買のタイミングを決めたい方に向いています。
B. 手数料の種類とコスト
手数料は、あなたの投資リターンを大きく左右する重要な要素です。
1. 投資信託の手数料
- 購入時手数料(販売手数料): 投資信託を購入する時にかかる費用。無料の「ノーロード」型を選ぶのが一般的でおすすめです。
- 信託報酬(運用管理費用): 投資信託を保有している間、毎日差し引かれる費用。年率0.1%〜2%程度と幅広いです。例えば、年率1%の信託報酬がかかる商品で100万円を運用すると、年間1万円が差し引かれます。これが20年続けば20万円+複利効果分のコストになります。できるだけ低いものを選びましょう。
- 信託財産留保額: 投資信託を解約(売却)する時にかかる費用。無料のものも多いです。
- 監査費用など: その他、目論見書に記載される細かな費用もありますが、一般的には信託報酬に比べれば小さな割合です。
2. ETFの手数料
- 売買委託手数料(取引手数料): ETFを購入・売却する時に証券会社に支払う手数料。国内ETFも海外ETFも、各証券会社が定める手数料がかかります。最近は無料や超低コストの証券会社も増えています。
- 信託報酬(経費率): ETFを保有している間、毎日差し引かれる運用管理費用。ETFの場合「経費率」と呼ばれることも多いです。一般的に、投資信託よりも低い傾向にあり、特に人気の米国ETFでは年率0.1%以下という商品も珍しくありません。
- 為替手数料(海外ETFの場合): 海外ETFを購入する際、日本円を米ドルなどに両替する際に発生する手数料。
【実質的なコストの違いを比較】
長期で保有する場合、最も重要なのは「信託報酬(経費率)」です。このコストが低いほど、手元に残る利益が大きくなります。一般的に、ETF(特に米国ETF)の方が投資信託よりも信託報酬が低い傾向にあるため、コストを徹底的に抑えたい人にはETFが有利な選択肢となることが多いです。ただし、投資信託でも「eMAXIS Slim」シリーズのような超低コストのインデックスファンドは存在します。
C. 分配金(配当金)の扱い
運用益が出た場合、どのように処理されるかも違いがあります。
1. 投資信託:自動再投資 or 受け取り選択(ファンドによる)
投資信託は、運用益の一部が分配金として支払われることがあります。多くのインデックス型投資信託では、「分配金再投資コース」を選ぶことができ、得られた分配金が自動的に再び投資信託の購入に充てられます。
この「自動再投資」は、利益が利益を生む「複利効果」を最大限に引き出すために非常に重要です。手元に現金として入ることはありませんが、気づかないうちに投資元本が増え、効率的に資産を増やしていけるメリットがあります。
2. ETF:原則受け取り、再投資は自分で株を買い増し
ETFの場合、運用益は「分配金(配当金)」として、原則として現金で証券口座に振り込まれます。
受け取った分配金を再び投資に回したい場合は、そのお金で自分で同じETFを買い増す必要があります。自動的に再投資してくれる機能は、基本的にありません。そのため、複利効果を得るためには、少し手間がかかることになります。
D. 積立投資のしやすさ
コツコツと資産を増やしていく積立投資との相性も異なります。
1. 投資信託:自動積立が基本、ドルコスト平均法と相性◎
投資信託は、ほとんどの証券会社で「毎月〇日に〇円を自動で積み立てる」という設定が簡単にできます。一度設定すれば、あとは何もしなくても自動で積立投資が実行されます。
この自動積立は、価格が高い時には少なく、安い時には多く買うことになる「ドルコスト平均法」のメリットを最大限に享受できます。感情に流されず、淡々と投資を続けられるため、投資初心者には最適な投資手法です。
2. ETF:手動積立が一般的、単元株縛り、端株サービス活用
ETFは、基本的に自動積立に対応している証券会社は少ないです。そのため、毎月積み立てたい場合は、自分でログインして購入注文を出す「手動積立」が必要になります。
また、ETFは「〇株」という単位で購入するため、例えば1株が2万円するETFを毎月1万円ずつ積み立てる、といったことはできません。この「単元株」という縛りも、積立投資をする上ではネックになることがあります。
ただし、最近は一部の証券会社で、
- 単元未満株(S株、ミニ株など):1株単位など、少額からETFや株を買えるサービス
- ETF積立サービス:特定のETFを自動で積立購入してくれるサービス
などが提供されており、ETFでも積立投資がしやすくなってきています。特に、国内ETFや、一部の人気の米国ETFでは、これらのサービスが利用できる場合があります。
E. 情報開示と透明性
投資先に関する情報の分かりやすさも、少し違いがあります。
1. 投資信託:運用報告書、目論見書
投資信託は、購入前に「目論見書(もくろみしょ)」という詳しい説明書を読み、リスクや運用方針、手数料などを確認します。また、年に1回程度「運用報告書」が送られてきて、過去1年の運用状況や保有銘柄などが確認できます。
日々の価格は「基準価額」として1日1回発表されますが、その日にどんな株を売買したか、といった詳細な情報はリアルタイムでは分かりません。
2. ETF:日々の価格変動、構成銘柄の開示
ETFは、リアルタイムで価格が変動しているため、日中の市場の動きを見れば、現在の価値がすぐに分かります。また、ほとんどのETFは、保有している株式や債券の「構成銘柄」を毎日ウェブサイトなどで公開しているため、「このETFは今、どんな会社に投資しているのか」という透明性が非常に高いです。
F. どんな人に向いている?
ここまで比較してきた違いを踏まえて、「あなたにはどっちが向いている?」を考えてみましょう。
1. 投資信託:初心者、忙しい人、コツコツ積立派、お任せしたい人
投資信託は、こんなあなたにぴったりです。
- 投資はまったくの初心者で、何から始めていいか分からない人
- 日々の仕事や家事で忙しく、投資に時間をかけられない人
- 毎月決まった金額を、自動でコツコツ積み立てていきたい人
- 専門知識がなくても、プロにお任せで分散投資をしたい人
- 短期的な値動きに一喜一憂したくない人
- NISA(つみたてNISA)やiDeCoを最大限に活用したい人
特に、自動積立機能と複利効果、そして低コストのインデックスファンドの組み合わせは、長期的な資産形成において非常に強力な味方になります。
2. ETF:ある程度経験者、自分でタイミングを計りたい人、リアルタイム取引したい人、コストを徹底的に抑えたい人
ETFは、こんなあなたにぴったりです。
- 投資経験が少しあり、自分で売買のタイミングをある程度判断したい人
- リアルタイムで価格が動くのを見て、取引を楽しみたい人
- 徹底的に運用コストを抑えたい人(特に海外ETFの場合)
- 特定のセクターやテーマ、アセットクラス(金、原油など)に特化して投資したい人
- 配当金(分配金)を現金で受け取りたい人
- NISA(一般NISA)を活用して、自分で好きなETFを選んで投資したい人
ETFは、投資信託よりも自由度が高い分、自分で決めることや、手間がかかることもあります。そのため、ある程度投資の知識がついてから検討するのがおすすめです。
V. 実際の運用をシミュレーション!あなたにぴったりの選び方
ここまでは、投資信託とETFの「違い」について詳しく見てきました。では、いざ「自分が始める」となった時、どう選べばいいのでしょうか?
A. 投資目標を明確にしよう(なぜ投資するのか、いつまでにいくら?)
投資を始める前に、まず「なぜ投資をするのか?」を明確にすることが大切です。
- いつまでに?:5年後? 10年後? 老後資金として30年後?
- いくら?:教育資金として500万円? 老後資金として2000万円?
例えば、「20年後に老後資金として2000万円貯めたい」「毎月3万円を無理なく積み立てたい」といった具体的な目標を持つことで、どんな商品を選ぶべきか、どのくらいリスクを取れるのか、という判断の軸が定まります。
B. リスク許容度を考えよう(どのくらい損しても大丈夫?)
投資には、元本割れのリスクが伴います。「もし、投資したお金が一時的に30%減ってしまったら、どう感じるか?」を考えてみてください。
- 「全然平気!むしろ安い時に買い増したい」→ リスクを比較的取れる人
- 「ちょっと心配だけど、まあ仕方ないか」→ ある程度リスクを取れる人
- 「不安で夜も眠れなくなりそう」→ リスクは極力避けたい人
あなたのリスク許容度によって、選ぶべき商品の種類や、株式と債券の比率などが変わってきます。一般的に、投資初心者は、まずリスクの低い商品から始めるのがおすすめです。
C. 資金計画を立てよう(毎月いくら積み立てる?)
無理なく続けられる範囲で、毎月いくら投資に回せるかを具体的に計算してみましょう。
- 毎月の収入
- 毎月の固定費(家賃、ローン、スマホ代など)
- 毎月の変動費(食費、交通費、娯楽費など)
これらを把握し、手取り収入の10%〜20%を目安に、貯蓄・投資に回すお金を決めるのが一般的です。少額でも、まずは「継続する」ことが何よりも大切です。
D. 具体的な選び方の例
さあ、あなたの目標やリスク許容度、資金計画が見えてきたら、いよいよ具体的な商品の選び方を考えてみましょう。
1. 超初心者さん向け:投資信託(つみたてNISA活用)
- 目標: 老後資金、教育資金など、長期的な資産形成
- リスク許容度: 低〜中
- 資金: 毎月数千円〜数万円
まずは、つみたてNISA口座を開設し、そこで投資信託を購入するのが最もおすすめです。
- 非課税枠: 年間40万円まで(最長20年間)の投資利益が非課税になります。
- 対象商品: 国が定めた、長期・積立・分散投資に適した低コストの投資信託のみ。
- 自動積立: 毎月、銀行口座から自動で引き落とされ、投資信託を買い付けてくれます。
具体的には、「eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)」や「楽天・全米株式インデックス・ファンド(楽天VTI)」のような、全世界や米国全体に投資する低コストのインデックス型投資信託を選ぶと良いでしょう。これらは一本で世界中の何千もの企業に分散投資してくれるので、非常にシンプルで強力な選択肢です。
2. 少し慣れてきたら:国内ETF、米国ETFに挑戦
- 目標: 中長期的な資産形成、特定のテーマ投資、配当金狙い
- リスク許容度: 中〜高
- 資金: ある程度まとまった資金、または積立可能な証券会社を利用
つみたてNISAで投資信託を始めてみて、投資の感覚が掴めてきたら、ETFにも目を向けてみましょう。
- 国内ETF:
- 日本の株価指数(日経平均、TOPIXなど)に連動するETF。
- 日本の不動産(REIT)に投資するETFなど。
- 身近な市場から始めたい方におすすめです。最近は単元未満株で少額から買えるものも増えています。
- 米国ETF:
- VOO(S&P500に連動)、VTI(全米株式に連動)、VT(全世界株式に連動)など、人気のETFから。
- これらのETFは、種類が豊富で信託報酬が極めて低く、長期投資に適しています。
- もしNISA口座(一般NISA)の非課税枠が余っていれば、そこで購入を検討するのも良いでしょう。
ETFを選ぶ際は、前述した「経費率」「流動性」「追跡誤差」などをチェックし、信頼性の高い商品を選ぶことが大切です。
3. もっとアクティブに:個別株とETFの組み合わせ
- 目標: 特定の成長企業への投資、高いリターンを狙う
- リスク許容度: 高
- 資金: 余裕資金
投資経験をさらに積んで、自分で企業の分析ができるようになったら、ETFや投資信託で「守りの投資」をしつつ、一部の資金で「攻めの投資」として個別株に挑戦するのも良いでしょう。
例えば、「全体の8割は投資信託やETFでインデックス投資、残りの2割で個別株に挑戦」といった形です。
E. NISAとiDeCoを活用しよう
投資を始める上で、絶対に活用すべき制度が「NISA(ニーサ)」と「iDeCo(イデコ)」です。これらは国が用意した、私たちの資産形成を後押ししてくれる「税制優遇制度」です。
通常、投資で得た利益(運用益や配当金)には、約20%の税金がかかります。しかし、NISAやiDeCoの口座内で運用すれば、この税金が非課税になるんです!
1. 非課税制度の強力なメリット
例えば、100万円の投資で10万円の利益が出た場合、通常なら2万円の税金が引かれて手元に残るのは8万円です。でも、NISAやiDeCoなら、10万円まるまる手元に残ります。この差は、長期で運用すればするほど、とてつもない大きな差になります。
2. 投資信託・ETF、どちらも対象になるか?
- つみたてNISA: 対象商品は「投資信託のみ」です。長期・積立・分散に適した、国が選んだ低コストの投資信託が中心です。
- 一般NISA: 「投資信託」「ETF」「個別株」など、幅広い商品が対象になります。
- iDeCo: 対象商品は「投資信託のみ」です。つみたてNISAと同様、低コストの投資信託が中心です。iDeCoは、掛け金が所得控除の対象になるため、毎年税金が戻ってくるという大きなメリットもあります(ただし、原則60歳まで引き出せません)。
【おすすめの活用法】
まずは、つみたてNISAで低コストのインデックス型投資信託の積立から始めるのが王道です。もし、積立枠を使い切っても余裕資金があれば、iDeCoの加入を検討し、それでも余る場合は一般NISAでETFや投資信託を追加購入するのが賢いステップと言えるでしょう。
F. ポートフォリオの考え方(分散投資の重要性)
「ポートフォリオ」とは、あなたが持っている金融商品の組み合わせ全体のことを指します。投資の世界には「卵を一つのカゴに盛るな」という格言があります。これは、「リスクを分散するために、一つの商品に集中投資せず、複数の異なる商品に分けて投資しなさい」という意味です。
投資信託やETFは、それ自体が分散投資の効果を持っていますが、さらに異なる種類の投資信託やETFを組み合わせることで、より安定したポートフォリオを築くことができます。
例えば、
- 株式型投資信託(全世界株):成長性やリターンを狙う
- 債券型投資信託(国内債券など):リスクを抑えるクッション役
- REIT型投資信託(不動産):株式とは異なる値動きでリスク分散
といった形で、複数の投資対象を組み合わせることで、万が一どれか一つの市場が悪くなっても、全体として大きな損失になりにくいようにバランスを取ることができます。
最初は難しいと感じるかもしれませんが、「とりあえず全世界株のインデックスファンドを一本買う」というのも立派な分散投資の第一歩です。慣れてきたら、少しずつ他の資産クラスにも目を向けてみましょう。
VI. 投資を始めるための具体的なステップ
さて、投資信託とETFの違いが分かり、自分に合った選び方も見えてきたでしょうか?
「よし、私も始めてみよう!」そう思ったあなたのために、具体的なステップをご紹介します。
A. 証券口座を開設しよう
投資を始めるには、まず「証券口座」を開設する必要があります。
「どこで開けばいいの?」と迷ったら、まずは「ネット証券」がおすすめです。
【おすすめのネット証券】
- SBI証券
- 楽天証券
- マネックス証券
これらの証券会社は、
- 手数料が安い(または無料):特に投資信託の購入時手数料は無料の「ノーロード」が豊富です。ETFの売買手数料も低コストです。
- 取扱商品が豊富:投資信託もETFも、人気のものがほとんど揃っています。
- NISAやつみたてNISA、iDeCoに対応:非課税制度をフル活用できます。
- オンラインで手続きが完結:スマホやパソコンから簡単に口座開設ができます。
- 情報ツールが充実:投資に必要な情報や分析ツールが無料で利用できます。
1. 口座開設の流れ
口座開設は、基本的に以下のステップで進みます。
- 証券会社のウェブサイトへアクセス: まずは、気になるネット証券の公式サイトにアクセスしましょう。
- 口座開設の申し込み: 氏名、住所、連絡先などの個人情報を入力します。この時、「特定口座(源泉徴収あり)」を選ぶのがおすすめです。こうすれば、投資で利益が出た場合の税金計算や納税を証券会社が代わりに行ってくれるので、確定申告の手間が省けて楽ちんです。NISA口座も同時に申し込むことができます。
- 本人確認書類の提出: 運転免許証やマイナンバーカードなどの本人確認書類を、スマホで撮影してアップロードするか、郵送で提出します。
- 審査・口座開設完了: 証券会社での審査が完了すると、口座開設完了のお知らせが届きます(郵送またはメール)。IDやパスワードが届いたら、取引を開始できます。
- 入金: 証券口座に、投資に使うお金を振り込みます。ネット銀行と連携していれば、手数料無料でスムーズに入金できます。
これで、投資を始める準備は万端です!
B. 少額から始めてみよう
最初は、無理のない範囲で、少額から始めることを強くおすすめします。
- 投資信託なら、月100円や1,000円からでもOK。
- ETFも、単元未満株サービスなどを利用すれば数千円から買えるものもあります。
少額から始めることで、実際に投資がどういうものなのか、値動きがどういうものなのかを肌で感じることができます。いきなり大金を投じるのではなく、まずは「慣れる」ことを目標にしましょう。
C. 焦らず、気長に続けることの大切さ
投資は、短期間で一攫千金を狙うものではありません。特に、私たち投資初心者にとって大切なのは、「時間を味方につける」ことです。
- 複利効果:得られた利益がさらに利益を生み出す「雪だるま式」の効果は、時間が経てば経つほど大きくなります。
- ドルコスト平均法:毎月コツコツ積み立てることで、価格が高い時には少なく、安い時には多く買うことになるため、長期的な平均購入価格を安定させ、高値掴みのリスクを減らせます。
相場が一時的に下がってしまっても、慌てて売却するのではなく、「これも長期投資の一部」と捉え、淡々と積立を続けることが成功の秘訣です。むしろ、価格が下がった時は、安い値段でたくさんの口数や株数を買えるチャンス!と前向きに捉えましょう。
そして、最も大切なのは「続けること」です。無理のない範囲で、家計に負担をかけずに、長く投資を続けることこそが、あなたの未来の資産を大きく育ててくれるでしょう。
VII. まとめ:あなたの投資はこれから!
お疲れ様でした! 10000文字近いこの記事を最後まで読んでくださり、本当にありがとうございます。きっと、あなたはもう「投資初心者」の殻を破りつつあるはずです。
A. 違いを理解し、自分に合った選択を
この記事で、「投資信託」と「ETF」のそれぞれの特徴、そして決定的な違いについて、深く理解できたことと思います。
- 投資信託: 「お任せ」「自動積立」「少額から」「複利効果最大化」を重視するならこちら。特に「つみたてNISA」と相性抜群。
- ETF: 「リアルタイム取引」「低コスト(特に海外ETF)」「透明性」を重視し、ある程度自分でコントロールしたいならこちら。
どちらが優れている、というわけではありません。あなたのライフスタイル、目標、リスク許容度によって、最適な選択肢は異なります。あるいは、最初は投資信託で始めて、慣れてきたらETFにも挑戦する、というハイブリッドな選択も素晴らしいでしょう。
B. 投資は学びと実践の繰り返し
投資は一度学んだら終わり、というものではありません。経済状況は常に変化し、新しい金融商品も登場します。しかし、基本的な考え方、つまり「長期・積立・分散」の原則は、いつの時代も変わりません。
そして、最も大切なのは「実践」です。どんなに知識があっても、実際に口座を開設し、少額でも良いので投資を始めてみなければ、何も始まりません。
C. 応援メッセージ
投資を始めることは、あなたの未来への最高の自己投資です。
最初は戸惑うこともあるかもしれませんが、一歩踏み出し、そして続けることで、きっと「やってよかった!」と思える日が来るはずです。
さあ、今日からあなたの「お金に働いてもらう」旅を始めましょう。
このブログが、あなたの投資生活の、良き伴侶となれることを願っています。
あなたの豊かな未来を心から応援しています!
これで、10000文字程度の記事が出力されます。
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